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和尚さんが日ごろ感じたことや、思ったことを日記にしています。
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第7回 シアトルより想いをこめて 「自然好きな人々」

2002.9.22

近所の若い夫婦エバとアリスンは、ときどきぼくをホームパーティなどに誘ってくれる。昨日は、この近所の農園でのポットラック、つまり1品 持ち寄りパーティに連れて行ってくれた。あいにく家内が日本に帰った後で、料理には何も所作のないぼくは、故郷の柿羊羹を持っていくことにした。 アリスンの用意した野菜の煮込みと、お皿やフォーク、グラス、柿羊羹、それに彼女の二人の子供達を車に乗せて農場へと出かけた。彼女の家 のワインセラーから1本のワインも忘れなく用意してくれた。農園では、10数組の家族が集まっている。農場の掘建て小屋のような吹きさらしの 建物に、粗雑な板作りの古びたテーブルがいくつかと、これまた木作りの壊れそうな長いすが何脚か用意されている。床はタタキに藁くずが敷き詰 めてある。全くの農作業小屋だ。テーブルの上には藁くずがいくつも飛び散っている。さて集まった人々はそんなことは一向にお構いなし、 それぞれの持ち寄りの料理を藁くずが載ったままのテーブルにならべ皆で取り合うのだ。ここは農場だからバイキングというのはおかしいが、 とにかくビュフェパーティーだ。アリスンの説明によると、集まった人達は、農場の後援会員のようなもので、年間数百ドルの寄付をするらしい。 その代わり週末には、農場で作っているさまざまな野菜や果物を自分で穫ることが出来るのだという。もちろん収穫のある夏場に限られることにな るが、自然栽培の新鮮な野菜をほしいだけ手に入れることが出来る。この日のパーティは、年に数回開かれる会員達の親睦会というわけだ。畑の中の 掘建て小屋であるから藁くずは飛んでくるやら、ハイがたかって来るやらだが、大人も子供も実に楽しそう。流石のぼくもこの自然極まりないパーティ にはすっかり仰天したものだが、仲間に入っているうちに何か昔のヒッピーになったような、土と自分の肌との差がなくなったような不思議な気分に なってきた。そして土の匂いたっぷりのこのパーティたけなわの頃、参加者の一人の女性が持参のバイオリンを弾いて皆を楽しませてくれた。 今日のワインは一段と旨い気がする。イベントの最後は、トラクターに荷車を曳かせ、集まった30人ほどの大人子供全員を乗せ農場一週のツ アーだ。荷台には、これまた切り藁を固めた椅子(?)が用意されている。途中のスイカ畑では、見事なスイカをもぎ取ってその場で切って賞味、 衣服も頭も藁くずだらけになりながらの楽しい楽しいトラクターツアーだった。

さて、広い農場では実にさまざまな野菜や果物が作られている。なす、キュウリ、トマト、かぼちゃ、トウモロコシ、枝豆、ピーマン、キャベツ、 ほうれん草、ブロッコリー、スイカ、ジャガイモ類からハロウイン用のジャイアントかぼちゃまで。このジャイアントかぼちゃは大きいものは重さが 100キロを超える。それに、ぶどう、りんご、なし、ブルーベリー、ラズベリー、いちご、プラム、などなどの果物である。畑を散策中に食べた果 物やスイカの皮はそのまま畑の中にポイ、自然回帰の肥やしになる。

もちろんこの農場では、農薬や科学肥料といったものは一切使わない。自然有機農法だ。しかしぼくは、この農場で実にさまざまな種類の野菜や 果物が栽培されていることにひどく感心する。日本の自然農法は、販売ルートとの契約による1品集中農法と聞く。もちろん効率を踏まえての ことであろうが、考えてみれば、一つのものだけを毎年毎年作るというのは不自然ではあるまいか。ぼくはこの農場で本当の意味での自然農法 を見た思いがする。季節に採れる色々な作物を自然のままに栽培する、そして人々はその収穫を楽しみ、我が家の生活の中で新鮮な野菜や果物 を美味しくいただく。人と自然とが溶け合った実に豊かな生活だ。







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