
和尚さんが日ごろ感じたことや、思ったことを日記にしています。
和尚さんからの便り、どうぞお気軽にお読みになって下さい。
|
 |

第12回 シアトルより想いを込めて 「海外で活躍する日本人」
2003.3.8
このところ日本人野球選手のアメリカでの活躍にはめざましいものがある。シアトルマリナーズのイチロー、佐々木は言うに及ばず野茂も負けじとが
んばっている。それに今年からは松井までがニューヨーク入りしてアメリカ中の話題をさらっていることはご承知のとおりだ。
その他、長谷川、伊良部、それに新庄だって成績はともかく人気だけは落ちていない。まだまだいると思うのだがぼくは野球にあまり詳しくない。
桧舞台の野球はさておいて、アメリカの色々な社会をのぞいてみると異国の地でがんばって活躍している日本人は結構多い。
ベルビュー市は、シアトル近郊の新しい都市だが、今ではシアトルをも凌ぐほどの発展を見せている。そのベルビューハーモニックオーケストラ
の音楽監督兼指揮者は、梶間聡夫さんという日本人だ。就任3年目で脂の乗り切ったところである。ぼくも演奏会に行った折お目にかかったこ
とがあるが、上品で真面目な紳士という印象を受けた。小澤征爾さんとは格が違うが、こちらはまだまだ若い。これからが期待される。
音楽といえば、ニューヨークで活躍する大野俊三さんも見逃せないだろう。ジャズトランペッターと言う最もアメリカ的なジャンルでありな
がら、多くのアメリカ人を凌いでニューヨークの人気者である。彼は故郷の岐阜へ帰った折には、ぼくの自坊法福寺でときどきコンサート
をやってくれる。
男だけではない、特に芸術の分野では女性の進出もめざましいものがある。このあいだ日本行きの飛行機の中で隣り合わせた女性は、
カナダのケベックに住んでいるという。ケベックと言ったって、ぼくも地名を知っている程度だからどんなところなのかよくは解らないが、
なんでも彼女の説明によると、フランス統治時代からの古い伝統と街並みを残した北米大陸ではいちばんに美しく古い都市だという。
一度訪れてみたい気になったが、その彼女は、舞台照明のアートディレクターをしていると言うことだ。ケベックを基地にアメリカ日本と飛び
回っているようだ。表には出ない舞台裏の仕事ではあるが、女一人で世界の舞台に活躍するからにはなかなかの器量を持ち合わせているに違い
ないだろう。40台前半と思えるその細身の体に溢れるエネルギーと頼もしさ感じたものだ。
シアトルミュージアムと言えば、このあたりでは名の通った美術館である。そこの学芸員として活躍する白原由紀子さんもまた、
ひとり身の40台女性。去年、東洋美術の主任として日本から迎えられた。日本では東京の根津美術館や慶応大学で仕事をしていたと言う。
小さな日本女性の真面目でエネルギッシュな仕事振りは、まわりの大きなアメリカ人達の話題にもなっている。
もう一人知っている日本女性がいる。長澤伸穂さんだ。彼女はまだ30台の若さでカリフォルニア大学芸術学部の正教授に抜擢された才能の
持ち主、今は招聘されて東海岸に移っている。彼女の姉もまたオランダ国立アムステルダム音楽院の正教授で、ぼくとは10年以上の旧交が
ある。まだまだ、ぼくの知らないところで世界に活躍する日本人は多いに違いない。国際化社会とは言え、こんなにも世界中で活躍している
同朋を見るにつけ、何かほのぼのとした嬉しさを感じてしまう。そして外国語社会での仕事も大変だろうにと自分の不得手が今更ながらに情
けなく思えてくる。
|
|

|
Copyright© 2006 Jingoji. All Rights Reserved.
|