
和尚さんが日ごろ感じたことや、思ったことを日記にしています。
和尚さんからの便り、どうぞお気軽にお読みになって下さい。
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第13回 「日本の皆様へ PartU」
2003.3.8
冬の季節、シアトルの名物といえばそれは雨、毎日がどんよりとして薄ら寒い日が続きます。げんなりしてしまうところですが、
心まで暗く塞ぎこんでしまったのではますます寒くなるばかり、ここはひとつ空元気でもださなきゃあ、といったところです。石楠花が去年からの
花芽をしっかりとたずさえて、冬の寒さにも動じることなく庭先にでんと構えている様子など見ていると、人間だけが寒いの暑いのといってあ
たふたしているようで、恥ずかしくなってしまいます。シンと冷え込んだ朝、霧に白くかすんだフリーウエイを水煙を上げながら疾走する車、
やがて多くの車はダウンタウンの高層ビル街へと吸い込まれ霞のように消えていく、そんな光景がやはりシアトルの冬にはぴったりときます。
まさしく淡色水墨画の世界ですが、近代都市と森、湖の大自然とが融合するとても素的な場所、とも言えるでしょう。ちょっと感じ方をかえてみたら、
冬のシアトルがとても美しく、魅力的な街に思えてきませんか。一度訪れてみられては如何でしょう。お待ちいたしております。
さて、部屋の窓から神護寺境内の森を見ていると樹木の小枝になにやら白いものがいくつか下がっている様子、何かと思って目を凝らすとそ
れはおみくじ、おそらく今年の初詣にきた人たちが結んでいったのでしょう。冬の枯れ木に花が咲くとまではいきませんが、何かしら人の
気配が感じられてホットした気分、心温められたりしています。
シアトル神護寺では、今年が始めてのお正月でした。日本に帰国中の私に代って白人の弟子の密照が新年のお勤めを致しましたが、
近郊から若い家族連れを中心に200名を超えるご参詣をいただくことができました。200人と言っても家族数ではせいぜい7〜80、
日本の初詣からすれば微々たるものでありますが、シアトル神護寺にとっては画期的? ともいえる出来事。少しづつではありますが、
この地の人々に親しまれつつあること、とりわけ若い人たちにお参りいただけることが、何よりも嬉しいところであります。
しばらく日本を離れて異国の地に暮らしてみると、今まで見えなかった日本の伝統や文化、それは家族やお寺、年中行事といったようなものなの
ですが、それらの大切さがより深く感じられるようになるものです。シアトル神護寺に来られる若い人達も自己の心の奥に根ざした内なる文化、
内なる自然を大切と感じている人たちなのでしょう。そして現地アメリカ人にとっては、東洋の神秘を感じ神仏の普遍を感じとる貴重な存在でも
あるのです。人々の心の拠りどころとして、自己の向上を求める修行の道場として、隔てなく誰にでも開かれたお寺として、シアトル神護寺が
これから更に多くの皆様に親しんでいただけることを願っております。
小さな仮堂に始まったばかりのシアトル神護寺でありますが、今年はその整備拡充に力を注いでいきたいと考えております。皆様のご理解とお
力添えを何卒よろしくお願い申し上げます。
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