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第16回 シアトルより想いを込めて 「国際結婚事情」

2003.5.10

仮にS子さんとしておこう。彼女は28歳、すらっと背が高く細面でなかなかの美人、日本からアメリカに留学してシアトルの名門ワシントン 大学を出た才媛だ。今は1児の母、こちらで結婚して3年になる。相手は白人男性、同じ大学のとき知り合った。アメリカの多くのカップルが そうであるように、彼らもまた共働きをしながら親子3人タウンハウスに暮らす。ところでS子さんは、こちらで暮らすようになってから日本 の文化や伝統に強い関心を持つようになった。こうした関心は、異国でくらしてみてあらためて強く感じるようになったという。ご主人であ る彼もまた、仏教や東洋の文化に強く惹かれている。典型的な国際結婚カップルの生活傾向だ。シアトル周辺は、アメリカでも新しい日本人、 特に若い人たちが多い地域らしいが、その中には最近の国際結婚組みもかなりいるという。

さて、その国際結婚の組み合わせなのだが、これが問題というか偏り方がはなはだしい。つまり断然多いのが白人男性に若い日本女性という 組み合わせ。その逆はほとんど稀だ。しかもその日本女性は、ぼくの知る限り押しなべて知的で、器量良し、気立て良し、しとやかで働き者。 こんな一級品の日本女性達だ。慣れないであろう異国社会の中で働いたり家庭を持ったりしてがんばっているこうした若い人たちを見ていると、 日本女性もたくましくなったなあと感心すると共に、いったい日本の若い男どもは何をもたもたしているのだろうかと思ってしまう。日本女性の いいところを皆、アメリカの男たちにさらわれてしまっているといったら少し大げさだろうか。確かに日本女性はアメリカ社会の中でも目立って 可愛らしい、それに何と言っても甲斐甲斐しくよく働き、世話もするし能力もある。陽気で愛嬌がいいところは認めるが、自己主張だけがや たらと強く、しとやかさのかけらもないようなヤンキー娘などとは比較にもならない、と、ぼくは思っている。いや、ぼくだけが思っているわけ ではない、現にアメリカ人男性が結構に多く日本女性を娶っているではないか。それに比して逆は誠に少ない。

それでは、日本女性はアメリカ人男性のどこに惹かれているのだろうかと、これもちょっと気になるところなのだが、おそらくそれは、 その優しさと気配りではないだろうか。アメリカの男は女性に対して、よくもあれだけまめにと思うほど気配りをしたり優しく手をさし のべたり、言葉をかけたりする。荷物を持つのはもちろんのこと、コートは着せる、車に乗り込むときは外からドアーを開けて待っている、 それにいつも優しい言葉は掛けどうし、実にまめだ。それに家庭では炊事、洗濯、お掃除まで手伝うのだから全く感心してしまう。結婚してから後、 長年たっても全く変わらない。あまり自分の奥さんに優しくしすぎるのは、何か心にやましいことでもあるのでは、などとぼくなんかは妙に勘ぐっ てしまいたくなるほどだが、それでもアメリカで離婚率が高いのは、女性の傲慢か、男の方が疲れてしまったのか、ぼくには複雑すぎて何とも解ら ない。ともかくアメリカ男性の優しさやまめは、恋愛中はまだしも結婚後数年もすれば、「おい、新聞」ぐらいしか言わない日本の男と比較すると、 雲泥の差だ。生活習慣、文化の違いと言ってしまえばそれまでだが、日本の男性ももう少し何とかならないものだろうか。そして優秀な若い日本女性 の海外流出(?)を少しは食い止めないと、この偏った国際結婚の傾向ますます増えそうな気配がしてならない。

戦後の混乱期、戦争花嫁という言葉が流行った。今とは少しばかり事情は違うが、やはり日本女性のアメリカ流出の一時期があるにはあった。 しかし、今は数の上ではともかく、誠に良質な若い女性が海外流出している。おかげでシアトル神護寺にはこういう若者達の参詣が少なくない。

日本の若い男たちよ、もっと情熱を燃やせ! さもないとまめなアメリカ青年に貴重な大和撫子をますます奪い去られてしまう。







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